企業の健全性は、
悪い情報がどれだけ早く正確にトップに伝わるか表れる。
情報が偏ると判断を誤るからだ。
だからバフェットは、
バークシャー・ハザウェイ傘下の企業の一つだけ指示している。
「現状報告は多くても少なくてもお好きなようにして
いただいてかまいませんが、
一つだけ注意事項があります。
早めに私に報告するようにしてください」
1991年、バフェットは倒産の危機に陥ったソロモン・ブラザーズを救うべく
暫定会長に就任するが、同社の危機を原因も情報だった。
国債の不正入札という悪事が正しく上に伝わらかなかったのだ。
バフェットは、債券には悪い情報もきちんと伝えてくれる人物が
必要だと考えた。
「会長である私に相談すべきこと、
下で解決すべきことを区別できる人間が欲しいかった。
悪い知らせをきちんと伝えらる人間だ」
そして「自分の遺言を託せる人間か」を基準に面接をし、
デリック・モーンをCEOに選任する。
選んだら信頼して任せるのがバフェットだ。
ある時、モーンが指示を求めると、
バフェットは笑ってこう答えた。
「そういう質問をするようでは、私は人選をミスったのかもしれない」
信任したのだから、
あとは悪いニュースをすぐに知らせてくれるだけでよかった。