人々が強欲になることも、臆病になることも、愚行を犯すことも予測は可能だ。しかし、どの順番で起きるかは予測できない
投資家が広く熱に浮かされ、株価を過大評価するときがある。逆に、投資家が過剰なほど臆病になり、株価を著しく
過小評価するときもある。ウォーレンはこの事実をよく知っているが、いつか必ずそうなるのはわかっていても、いつそうなるのかまではわkっていない。とはいえ、実際にそうなったとき、臆病と愚行もたらす安い株価を、彼は持ってましたとばかりに有効利用するのだ。強欲を避けつつ、臆病と愚行にチャンスを作り出せるこれこそが知性脈投資家のやり方である。この手法の成功例としては、1990年代の<ウェルズ・ファーゴ〉株の取得が挙げられる。当時のアメリカには銀行不況が蔓延しており、土地関連の不良債権を抱えた銀行株は、破綻の懸念があるため誰も手を出そうとしなかった。