聖人は、その賢明さが
現れることを欲しなさい。
天の道は、弓の弦を張るようなものである。
真ん中の高いところを抑え、
低いところを持ち上げて、糸を引っ掛ける。
余りがあれば減らし、
足りなければ補う。
つまり天の道は、
余りがあれば減らし、
足りなければ増やす。
ところが人の道は、
足りない者からさらに減らして、
有り余っている者に貢献する。
ただ道に従う者だけが、余りがあればそれを天に奉じる。
そういうわけで聖人は、ものごとを為して、自分の手柄とせず、
功を成してもその地位に居座らない。
かくのごとく、その賢明さが現れることを欲しない。