ほんとうに完成したものは、
欠けているようである。
ほんとうに完成したものは、欠けているようでありながら、
どれほど使っても壊れない。
ほんとうに満ちたものは、からっぽのようでありながら、
どれだけ使っても尽きることがない。
ほんとうに真っ直ぐなものは、屈曲しているようであり、
ほんとうに巧みなものは、稚拙なようであり、
ほんとうに伸び伸びとしたものは、縮こまっているかのようである。
騒々しい気分がまさると、
生き生きとした気が衰えてしまい、やがてさめてしまう。
静かな気分がまさると、
生き生きとした気が生じて、やがて燃え上がってくる。
清らかで静かであることが、天下のどこでも、正しい姿なのだ。