鹿島神社は、相模原市南区古淵にある神社です。鹿島神社の創建年代等は不詳ながら、南北朝時代に当地の地頭だった渡辺義博の子義喬が創建したともいいます。
鹿島神社はJR横浜線古淵駅から町田市に向かう境川橋の近くにあります。 そこは古くは「やと」と呼ばれた地域で、鹿島神社はその鎮守でした。境内のまわりはうっそうとした杉林で、今なお森閑とした雰囲気をかもし出しています。 この神社を創建したのほ南北朝時代に活躍したこの村の地頭、淵辺義博の子、義喬であると伝えられています。 淵辺義博は足利尊氏の弟直義の家臣として護良親王を殺害したとされる人物ですが、地域では連に親王を助け出し、奥州石巻までお連れした忠臣ということになっています。また、境川に巣くう大蛇を退治したという武勇伝も伝わり、その子義喬も当然のことながら立派な武将とされています。しかし、現実的には養喬がどのような人物であったのか、どのような活躍をしたのかなどいっさいわかっておらず、その存在すら疑問視する人もいます。 ただ、この神社の境内にそびえ立つ御神木の大ケヤキは義喬が植えたものといわれ、その前に立つ「カナメ石」も義喬がここに配したものだと伝えられていることを考えると、淵辺伝説がいかにこの地域の人々の心に深く棍づいているのかをうかがい知ることができます。(さがみはら風土記稿より)