バフェットとビル・ゲイツはこんな質問をされたことがある。
「今の地位を得るために、何が一番重要な要素だったと考えていますか?」
バフェットは「集中力」と答え、ゲイツも同じ言葉口にした。
彼らに限らず、成功した起業家の多くは本当に自分が得意な事業に
集中しているものだ。
バークシャー・ハザウェイの傘下にもさまざまな事業を営む企業があるが、
それぞれの経営者は自分の事業に集中し、
バフェットもそれには口を出さず、最も得意な投資に集中している。
そんなバフェットだけに、投資した企業の経営者が「多角化」
という名の横道にそれることをとても恐れる。
たとえばすぐれた企業の代表格コカ・コーラはかつてエビの養殖に手を出しことがあり、
ジレットも石油開発を行っていたことがある。
素晴らしい本業を持ちながら、合理的とは思えない行動に走り、
バカげた事業計画でお金を使い、時に本業まで危うくする。
バフェットは集中力を忘れたそんな愚行をしないよう、こう警告している。
「企業への投資をチャーリー(マンガー)と私が考える場合に最も恐れるのが、
こうした『焦点が外れること』なのです。
企業を思い上がりや倦怠感が取り巻くことで、経営者たちの関心が
横道にそれてしまった例はいとまはありません」