バフェットはの「能力の輪」の使い方はこうだ。
まず、自分が理解できる企業の名前を紙に書き、
それを取り囲む輪を描く。
次に、輪の中から「価値に比べて価格が割高な企業」
「経営陣がダメな企業」「事業環境がかんばしくない企業」
を選んで外に出す。
輪の中に残った者が投資対象となる。
では、もし輪の中に1社も残らなかったらどうするか。
バフェットは言う。
「自分の能力の輪の中にめぼしいものないからといって、
むやみに輪を広げることはしません。
じっと待ちます」
成功に必要なのは、自分のしていることを十分に理解し、
合理的に行動することである。
そして、自分の能力の輪を出ることには決して手を出さないようにする。
「私は天才ではない。
ある分野では高い能力を持っているが、
その分野以外には手を出さないのだ」
これは、IBM創業者トーマス・ワトソンの言葉だ。
バフェットの言葉との共通性に驚く。
成功者には「常に限界を突破する人」
というイメージがあるが、限界を知り、
そこから出ない成功法もあるのだ。
1962年にパートナーシップを解散した理由も、
当時の市場環境対象が見つかりにくいと判断したからだ。
それほどバフェットは自分の能力の輪を厳密に決めていた