百貨店ホクスチャイルドで失敗したバフェット二「小売業に興味があるなら、
アソシエーテッド・コットン・ショップはどうだい」
という打診があった。
同社は安売り婦人服を80展開する売上4400万ドル、
利益200万ドルの会社だった。
立地もシカゴやバッファロートいった上品とは言えない場所で、
マンガーは四流の値段が付いた三流点と評した。
だが事業内容はよく、
何より経営者ベン・ロズナーに、経営に対する熱意があった。
トレイに核店舗の売上成績を張り、
用を足しながら数字を比較したり、
パーティーの最中に競合店のトイレットペーパーの仕入れ値を聞くや、
店の倉庫に駆け戻って自社はどうかを確認したりする。
ロズナーは、そんな仕事が大好きな人間だった。
バフェットは、彼の熱意に惚れ込んだ。
1967年に同社を600万ドルで買収して、
ロズナーに、買収後もこれまでどおり経営に当たって欲しいと頼んだ。
「熱意こそ抜きんでる対価」常々そう信じているバフェットらしい判断だったし、
ロズナーも20年にわたってバフェットは期待にこたえ続けた。
やがて引退の日がきて、
ロズナーはバフェットにこんな感想を伝えた。
「うまくいったのは、君がこの会社を買ったということを、
忘れ私がこの会社を売ったという事を忘れたからだ」