バフェットは、失敗の一つである老舗百貨店ホクスチャイルド・コーンの
買収から、人物は大切だが、人物だけではビジネスは成功しないとことを学んだ。
百貨店の近くには、ほかに三つの百貨店が軒を連ねていく、
競争は熾烈だった。
しかし、オーナー一族のルイス・コーンが会社の数字や収益性に通じており、
かつ質素に暮らす信頼できる人間であることが決め手となり、
1200万ドルの買収が成立した。
銀行は「あんなに会社に」と目をむいたが、
バフェットは自分の人物眼に自信を持っていた。
結果は悲惨だった。
「楽しかったのは2日だけ。買った日と売った日だ」
とチャリー・マンガーは評したが、
斜陽産業の立て直しは困難だった。
三つの競合店と戦うには、
ある店がエレベーターや新式のレジなどを導入すれば、
それに追随するほかなかった。
新規出店をめぐる争いもあった。
経営陣は素晴らしかったのだ。
コーンは本当に頭がよく、人格も高潔な理想的人物だった。
それでも経営が好転することはなく、
バフェットは3年後、買収額トほぼ同じ額で売却を余儀なくされた。
こんな教訓を学んだ。
「有能な騎手も、名馬に乗れば勝てるが、
こっせつした駄馬に乗っては勝てない」
これ以降h、バフェットは事業内容と経営者が共に優秀な企業を探るようになった。