1997年、バフェットは再保険会社ゼネラル・りーを220億ドルの巨額で買収した。
同社の業績は悪くなかったが、CEO(最高経営責任者)のロン・ファーガソンは
バフェットとは違う哲学を持ち、しばし問題を起こした。
詐欺に引っかかったり、インターネットくじの保険を引き受けて損失を出したりした。
さらに、同社にはデリバティブ部門があった。
その危険性を知るバフェットは、2002年に経営陣営を刷新してデリバティブ部門を廃止したが、その後処理には長い年月を要することになった。
依頼、バフェットは、ゼネラル・リーの例を出しながらデリバティブの危険性を指摘するようになる。
「私たちはこのビジネス(デリバティブ)という炭鉱のカナリヤであり、
異変を嗅ぎつけた時に警告の歌をさえずるべきなのです」としきりに言った。
そして、ゼネラル・リーのデリバティブは小物にすぎず、
世界に広がるデリバティブを放置すると、やがて爆発を引き起こすと警告した。
バフェットは、デリバティブを「金融の大量破壊兵器」とまで呼び、
こう警鐘を鳴らしている。
「ニューオーリンズの堤防の信頼性を検証し、改善すべき時期は、
ハリケーン・カトリーナが来る前でなければなりません」
だがデリバティブは広がり続け、世界中でハリケーンと化すことになる。