未来を予想することはむずかしい。
たとえば10年前にフェイスブックやスマートフォンを誰が予想できただろうか。
投資の世界も同じだ。
1942年に11歳で株式投資を始めたバフェットのキャリアは70年に及んでいる。
その間には続々と新しい企業、金融商品、理論が登場している。
そもそもバフェットが生まれた30年の前年は世界恐慌だったのだ。
2度の世界大戦があり、不況とバブルもくり返された。
投資の主役もゼネラルモータースやUSスチールなどから、
マイクロソフトやアップルなどへ移り変わった。
バフェットが「3カ月前の2月の時点で将来が見通せないとしたら、
なぜ5月になってから、8月に起こることがわかるのだろう」
と言ったように、ほんの数かけ月先のことでさえ簡単に予測できない。
にもかかわらず、バフェットは成功し続けている。
理由をこう話している。
「いろいろな方法で、お金を儲けました。
その中には、30年や40年には予想もできなかった方法があります。
定まったロードマップを描くことはできません。
しかし知恵を磨くことはできます」
未来を予想できないからといって、長期的な視野が持てないわけではない。
未来が霧の中にあるなら、知恵を磨けばいいのだ。
やがて晴れた時に跳躍できる。