内なるスコアカードがあるか、それとも外のスコアカードがあるか。
投資の世界には専門家や流行の理論が待ち構え、
成功法を親切に教えてくれる。
それを上手に取り入れる投資家こそが利口だと見られる。
その観点からすると、バフェットは「愚かな投資家」だ。
自分の流儀をかたくなに守り、ほかに目を向けない。
1990年代後半、米国がITバブルに浮かれていた時も
「私にはITの知識がない」とIT関連株を買わなかった。
世界の金融センターであるウォール街から「過去の人」「昔日の象徴」と揶揄され、
専門誌に「ウォーレン、どうしたんだ?」と書かれても平然としていた。
やがてバブル経済は崩壊、
株式市場では数兆ドルの価値が消滅し、IT関連企業は10万以上もの解雇者を出す。
バフェットの正しさが証明され、ITの寵児であるアマゾン創業者ジェフ・ベぞスさえ
「だいたいウォーレンのいうことには耳を傾けないといけないんだ」とバフェットを
讃えるようになった。
周囲に流さない理由を、バフェットこう言っている。
「人がどうふるまうかを大きく左右するのは、
内なるスコアカードがるか、それとも外のスコアカードがあるかということなんだ。
内なるスコアカードで納得いかなければそれがよりどこになる」
投資で重要なのは、自分でルールを考え、それを破らないことなのだ。