百戦百勝は、善の善なるものにあらず
『孫子の兵法』に出てくる言葉。
戦えば、たとえ戦っても相手も痛め付けるし、
味方も傷付く。
最も良い方法は「戦わずして勝つ」ことで、
百回戦って百回とも勝利しても、それは最善の策ではない。
孫子はそう語っているのだ。
相場の世界では「虎穴に入らずんば虎子を得ず」で、
戦わなければ勝利はない。
しかし、年がら年中、戦ってばかりいたら、必ず失敗して敗北する。
本当に大儲けできる相場は、三~五年に一度、あるいは十年に一度あるかないか
程度である。
大儲けまでいかなくても、比較的安全・確実に儲けることのできる相場は
一年に二~三回もあればいいほうだ。
そいう時に勝負して、大きく稼ぎ、後はあまりジタバタ騒がないほうがよい。
また、「勝つことばかり知りて負けることを知らざれば、害その身に至る」
「名人は相場の恐ろしさを知る」という相場格言があるように、
勝ってばかりいて負けることを知らないと、自分の実力を過大評価し、
天狗になって、とりかえしのつかない大失敗をする可能性が強い。
そういう意味では、相場の世界でも「百戦百勝は、善の善なるものにあらず」なのである。