彼(敵)を知り、己を知れば、百戦殆うからず
『孫子の兵法』に出てくる有名な言葉だ。
「敵を知り、己を知れば、百戦しても負けることはない。
己を知っても、敵を知らなれば勝敗の確率は五分五分。
敵を知らずに、己も知らなければ、戦うごとに敗れる」と孫子は言っている。
これは株式投資にも十分当てはまる。
敵は相場あるいは個別銘柄、己は自分の能力(資金、胆力、相場に対する知識、洞察力など)である。
相場の底と天井、現在の株価水準、今は上げ相場か、下げ相場か、もちあい相場か、
あるいは金融相場か、業績相場かを判断し、その中で有望株はどれかを知ることが大切だ。
これが敵を知る、ということだ。
しかし、それだけでは十分ではない。
自分の資金力、資金の性質をわきまえ、分相応の株式投資を行う必要がある。
間違っても借金をして、株式投資を行ってはならない。
あるいは自分の投資スタンスが長期投資なのか、分散投資なのか、集中投資なのか、
いくらぐらいまで値段が上がりしたら利食うのか、見通しが外れて損したら、
損切するのか、長期塩漬け覚悟で持続するのか、などもあらかじめ決めておく必要がある。
また、相場で成功する秘訣は、みんなが弱気になっていて買えない低値圏で買い、
みんなが強気になっていて、なかなか売れない天井圏で売ることだが、みんなでも売れない(買えない)時は、
自分もなかなか売りにくい(買いにくい)ものだ。
それをあえてみんなと反対のことができるかどうか、自分にそれだけの胆力があるかどうかをよく知っておくが必要がある。
このように、相場を知り、自分の力をよくわきまえた上で、投資すれば、成功するのは極めて高い。