予測が教えてくれるのは、未来のことではなく、むしろ予測者のことである
ほとんどの人が忘れがちなのは大多数予測者が雇い主の関心に左右されるという点だ。雇い主が悲観論を望むなら
予測者は悲観的な見通しを出し、楽観論が必要とされれば予測者は楽観的な見通しを提供する。これは、人間が
給料をもらって職分を果たすという話であり、それ以上でも以下でもないのである。予測を生業とする者たちは、
未来が映し出される水晶玉を持っているわけでも何でもない。彼らが持っているのは、毎月の支払い追われる住宅ローンと、大学への進学を控えた子供たちだ。ウォール街は顧客によるひんぱんな売り買いを歓迎しており、これを実現させるには、顧客の投資ポートフォリオをひんぱんに入れ替える口実が必要となってくる。予測者が金利引き上げ
を予測すると、投資家すると、投資家は株を売り、予測者が金利引き下げを予測すると、投資家は株を買う。