一運二金三度胸
江戸時代の米相場から生まれた相場格言。
江戸時代の『商家秘録』には「勇猛の心なくんば、此商堅くなすべからず。
一膽二運諺にもいへり」(勇猛心がなければ、この米相場に決して手を出してはいけない、
一度胸二運とことわざでも言っている)
と書き記している。
『八木豹之巻』にも「一運に腰三拍子」「但し一銀二腰か、運と拍子は跡ならずでは知られず・・・」と書いている。
運と拍子とは経験に基づく駆け引きを意味している。
ところで、相場(株式投資など)で成功するためにはなにが必要か。
まず、何事も運がないと成功しない。
株式投資でもついない時には何をやってもうまくいかないものなのだ。
こういうは時にはムキになって損を取り戻そうせず、
しばらく相場から離れて、
相場を冷静に見詰めなおしたほうがよい。
また、いくらついていても(運がよくても)
お金がなければ、そのとき(運)を生かすことができない。
運とお金が揃っても、
チャンスを生かすためには大事なお金を投資する度胸(勇気)が必要だ。
この運とお金と度胸の三つが揃って初めて、
相場で成功することができる。
では、
この三つの要素のうち、
大切な順に並べたらどうなるのだろうか。
度胸は貧乏は人でも持つことができる。
これが一番手に入りやすい。
次に手に入るのはお金だ。
これはある程度の努力をすれば何とかなる。
だが、
人の手ではどうにもならないのが運だ。
そして、この運に恵まれないことには、
相場で成功することはおぼつかない。
そこで昔の人は一運二金三度胸と称したのだ。