時代遅れの原則は、もう原則でもない
ある日の朝、ウォーレンは目覚めとともにはっと気づいた。恩師グレアムから学んだ投資原則はいまの時代には通用
しないと。グレアムが主張したのは、ビジネスの根源的経済がどうあろうと、割安に売られている会社を買うという手法だ。この戦略は1980年時代と50年時代にうまく機能したが、より大規模投資家集団が同じような手法を取り始めると有効性を失った。金の卵をを見つけるのがどんどん難しくなっていったからだ。ウォーレンは従来の航路
を進み続けることをせず、船から飛び降りて新たな投資哲学を採用した。永続的な競争優位性を持つ優良ビジネスを
相応の価格で買い、上げ潮の収益と時間が株価に反映されるのをじっくり待つという投資哲学だ。これは、ウォーレンを金持ちから超金持ちへと押し上げていった。