すべての錬金術は、金属であれ金融であれ失敗に終わる
この言葉は、1980年代に「ジャンクボンドの帝王」と呼ばれたマイケル・ミルケン(1946~)がジャンク債投機が破綻したときにウォーレン・バフェットが述べた言葉である。
ジャンク債とは、
極端に信用度が低い債券を高利回りの商品としてパーケッジ化したものだ。
ミルケンの投機術は、
ジャンク債の債務不履行で終焉を迎えたが、
投機的債券の仕組みそのものは普遍の錬金術師として、
後のサブプライムローンの原型となった。
考えてみればウォール街は歴史的にこのような錬金術師を編みだす人間と売り歩く人間で構成されている。
ウォール街のウォール(堀)とは、
1653年に当時の市長を務めていたピーター・スタイブサントンが築いた高さ12フィートの城壁(ウォール)に由来する。
初期のウォール街は、
個の城壁のなかで行われる様々な美味しい話のメッカとして多く山師やベテン師が住んでいた。
17世紀になるとこの海賊たちの巣窟となり、
ワンピースのキッド海賊団で知られるキッド船長(1645~1701年)は、
56番地の奴隷市場で荒稼ぎに勤しんでいた。
今日は、世界中の市場を荒し回る投機筋のこと金融海賊と呼ぶのは、
この時代のなごりである。
2008年に破綻したりリーマン・ブラザーも南北戦争の時代からこの街で栄えた投機銀行だが、
1790年にウォール街で起きたはじめての金融破綻も、
土地投機の過熱が原因だった。
ウォール街の懲りない面々はアメリカンドリームの象徴である「在宅」に再び手を出した。
サプライムローン問題に端を混乱には、
投機筋と投資家の思惑が複雑に絡み合っている。
まさに「歴史は繰り返す」だが、
「歴史を学ぶだけで金持ちになれるなら、誰も苦労はしない」とバフェットは笑う。
「重要な仕事をしているから給料が高いのではなく、
とんでもない仕事としているから給料が高いのだ」がこの街の常識だ。
景気が良いときはやたらと気前が良く、少しでも陰りが見えると残忍になるがウォール街である。