保ちあい相場は蓄積と整理を意味し、売買両方の力で平衡を保つ
チャールズ・ダウ(1851-1902年)は、
日本でもおなじみのダウ平衡を考案した人で「相場分析の父」と評され、
ダウが考案した指数は株価と銘柄数を足し算と割り算で計算したシンプルなもので、
今日まですべの投資理論の基礎になっている。
ダウは日々の金融情報を配信する経済紙『ウォーナストリート・ジャーナル』の初代編集長を務め、
エジソンが考案した株価計測器から刻々とひちだされる値動きに関する情報を記事にして配信していたが、
ダウの当初の目的は株価変動から景気予測をするためだった。
1884年から株価指数の研究を始めたダウは1896年に当時の主力株であった鉄道株による「鉄道株平均」と、
そのほかの工業株で構成される「工業株平均」の二つの指標を作成した。
この指数をツールに導き出された株式市場の特異性を後継者がまとめたものが「ダウ理論」で、
ダウは相場の天底を潮の干満にたとえ、
「潮流の転換」として重視した。
日本の相場格言の「漁師は潮目を見る」も似た考え方だが、
強気と弱気のせめぎあいからトレンドの転換点を導くことがダウ・セオリーの特徴だ。
さうは1929年と38年の株価大暴落をこの考え方で的中させているが、
「保ちあい相場の蓄積と整理」とは、
すべての悪材料が株価形成に織り込まれた時点で相場は底を打ち、
すべての好材料が織り込まれたとき天井を打つとする。
一定のネガ場で昇降状態が続いた相場に大きな変化が生じたときは、
強気と弱気の平衡が崩れたときであるとして、そのトレンドに従うべきだとダウ理論は解説する。
ウォール街の格言の「トレンドはフレンド」がこれである。
ダウの後継者であるウィリアム・ハミルトンは、
ダウ理論でジェイムズ・キーン図の株価操作の分析を行い、
没する直前に1920年代の強気相場の終焉を予測して大恐慌の到来を的中させている。
晴海トンはこのレポートで景気や株価の大転換は、
株価の短期・中勢波・主波動を検証sることにより把握できるといっている。