大局着眼、着手小局
この格言は孔子の思想を受け継いだ荀子の言葉で、
囲碁や将棋の世界で使われることも多い。
荀子は人間の欲得を性悪説で探求した人で、
人間は先天的に欲望の塊のような存在だが、
後天的な努力や善を尽くすことで、
礼儀を正すことができると説いている。
相場道の「道」には「未来に向かって歩く道」という意味もある。
正しい道を歩めば欲望という名の悪行も善行になるのである。
投資の世界ではこの格言を銘柄探しなどの例えとして使われることが多い。
はじめに大局を摑み、つぎに小局を攻めてゆく意思決定の手順に引用される。
大局とは市場全体の強弱やそれぞれのセクターに出入りする投資金量の流れと人気の変化である。
これらを分析して個別銘柄の検討に移る。
トレードとしているとチャートを眺めて過ごす時間が長くなりがちだが、
個別の比較検討だけでなく、まず、
大局を掴んで自分にとって最良のチャンスが存在する時間と場所を見つけることが先決である。