バフェットは持ち込まれる投資案件について、すべてを検討する
わけではない。
不要と思えば話を最後まで聞くことなし「ノー」を告げる。
自分の能力の輪の中に入っていなければ目もくれない。
2メートルを超えるバスケットボール選手を探している以上、
どんなすぐれた技術を持っていても190センチの選手には関心を払わないのだ。
そうしたやり方が可能なのは、バフェットが日々の株価の変動に
一喜一憂したり、小さな案件に手を出してささやかな利益を
手にしたりすることに関心ないからだ。
理由をこう話している。
「チャーリー(マンガー)と私はずっと昔に、
投資で一生のうち何百回もの賢い決断を行うのは無理だと悟りました。
そこで私たちは、賢くなりすぎず、ほんの何度か賢い決断をするという
戦略を選んだのです。
現実に私たちは今まで年に一度いい考えが浮かべばよしといしています」
それは決定の質のためでもあった。
学生たちにこんなアドバイスをよくしている。
「自分は一生に20回しかパンチ(穴開け)を入れてもらえないカードだと考える。
財務的な決定1回につき1度のパンチだ。小さなものにちょこちょこ手を出すのは
控えるようになる。決定の質が上がり、大きな決定をするようになる」
小さな事は捨てる勇気が必要なのだ。