バフェットは投資した会社の数字の報告は受けるが、
経営に細かな口出しはしない。
オマハ二経営陣を集めたり、会議を開いたりもしない。
それほど傘下の経営者たちを信頼している。
だが、人は全員が善良なわけではない。
たとえ善人でも、会社の危機を救うためなら嘘もつくだろう。
バークシャー・ハザウェイの株主総会で、こんな質問が出た。
「どこで人物を判断しているのでしょう」
バフェットはこう答えた。
「(私は)大変幸運に恵まれています。
ですが、それは大勢を振るい落した結果です」
では、どうやって振るい落すのか。
バフェットはしばらく付き合って、相手がどんな発言をするか、
何を重要と考えているのか、どんなことに笑うのかといった点を知ろうとする。
たとえばこんな具合だ。
「もし相手が『たやすいことです』と言ったら、それはたいていたやすいことではありません。私たちはその瞬間に警戒します。そいう話は9割がたお断りします」
ある企業の買収に先立ち、バフェットは経営陣に会ったが、数字はについては
あまり聞かなかった。では、なぜ会ったのか。
「会って、私たちの口から直接、それが良い買収案だということを聞きたいだけのようでした」
週末を経て買収が決まったという。