投資や投機の世界には、おいしそうな話がたくさん転がっている。
ただし売り手は一獲千金の未来は言葉巧みに語るが、
リスクについては口をつぐむ。
バフェットは「楽観的な筋書きをつくり出すことにかけては、
ウォーレンはワシントンに負けないかもしれません」と言い、
そんな話に乗ることはもちろんない。
浮かれる人には、こんなたとえ話が戒めがある。
病んでいる馬を持つ男が獣医のところを訪ね、
「私の馬はちゃんと歩く時もありますが、時々片足を引きずんるです」
すると獣医は「何の問題もない。
馬がちゃんと歩いてる時に売ればよい」
と答えたという話だ。
ウォール街では、病んだ駄馬も名馬として売られるのだ。
バブルの最中は、大した業績もない企業が壮大な事業計画を仕立て巨額の資金を
集めることもあった。
中には、高い将来性や安定性をうたがいながら、粉飾決算で米国市場最大の
倒産となったエンロン事件のような悲劇もあった。
バフェットはこう警告していた。
「ここ数年間、そいういった企業の創設者や発起人は、
厚がましくも鳥のいない藪を売り込んで、
大衆のポケットの何十億ドルもの金を自分たちの財布に映した。
投機は簡単にそうに見える時ほど危ない」
おいしそうな話ほど怪しい。
それは投機でも投資でも絶対的と言っていい法則だ。