バフェットは価格と価値の差である安「全域」を重視した投資を行う。
その一方で、リスクがゼロにできるとも考えていない。
2004年、韓国企業に投資した際、こう話している。
「投資するときには、一定のリスクを負わなければならない。
北朝鮮リスクを踏まえた上でバフェットが投資したのは、
更迭や小麦粉など、
10年後も買われる製品を扱う企業だった。
しかも、いずれの企業も韓国内で高いシェアを持ち、
中国や日本にも輸出している。
未来の予測は不可能だ。
だが、どんな状況になっても製品が買われ、競争力を保つであろう企業への
投資ならリスクは軽減できる。
そうバフェットは考えたのだ。
イスラエルに本拠を置く超硬削工具メーカーのイスカル・メタルワーキングを
2006年に40億ドルで買収したのも同様だ。
同社の主力工場は紛争地に近いがラリアになる。
ふつうは敬遠したくなるが、
「世界はどこも危険にあふれています。
アメリカも平時のイスラエルと同じぐらいに危険です」と意に介さなかった。
同社は世界が必要とする製品を製造し、
60か国で業務を展開している。
経営陣は熱心で有能だ。
バフェットは安全を重視しながらも、良いビジネスならばリスクを取ることも
辞さなった。