1950年にコロンビア大学を卒業してオマハに戻ったバフェットは、
州兵の兵約義務を果たすために数週間、
ウェスコンシン州の訓練場に入った。
子供時代から肉体労働は大嫌いだし、
父ハワードは下院議員を1期務めた人物だったから、
バフェットは下手をするといじめの対象になったかもしれない。
だが、1時間たらずで無事にみんなの仲間入りを果たした。
簡単だった。
読書家なのは隠して、みんな同じようにコミックを読んだ。
博識は封印して、みんなと同じ貧困な語彙でしゃべった。
そしてこう思った。
「自分よりも優れた人間とつき合った方がいいというのを学んだ。
そうすれば、こっちもちょっぴり向上する。
自分よりもひどいやつらとつき合えば、そのうちにボールを滑り落ちてゆく。
しごく単純な仕組みだよ」
その後もバフェットは、こうくり返し言っている。
「自分より小さい者を雇えば、会社も小さくなる。
自分より大きい者を雇えば会社も大きくなる」
会社を任せるなら尊敬でき、信頼に値する人間に任せるべきだ。
つき合うなら、価値観が共通で、分野は異なっても知識レベルが同じ人間にするべきだ。
そうでなければ人生が充実するわけがない。