パックが今ある場所ではなく、これから飛んで行きそうな場所を目がけて滑る。
ITバブルと距離を置いた時のバフェットは、本当に過去の人扱いされていた。
平然とはしていたが、新聞に「テクノロジーを無視するバフェットはチンパンジー並み」
とまで書かれては、内心穏やかでなかったんだろう。こう言っている。
「トラクターが登場した頃の馬や、自動車が登場した頃の馬の蹄鉄を作る鍛冶屋だったりすることは、やっぱり楽しいことではありませんね」
バフェットは頑固者ではない。
失敗を避けるために原則を曲げないだけだ。
バフェットは食事すら自分がよく知っている店を選ぶ。
相手が「昨日行ったばかりの店ですよ」驚いても気にしない。
新しい店に行くとリスクは冒さないのだ。
リスクが少なければ大胆にふるまえる。
実際、バフェットは経営では柔軟で、大胆な変化を好む。
たとえばバークシャー・ハザウェイは繊維会社だったが、
今では社名が残っているだけで、実体は世界屈指の投資会社に変貌いていた。
バフェットは言う。
「NHL(北米のプロアイスホッケーリーグ)の名選手ウェイン・グレッキーのように、
パックが今ある場所ではなく、これから飛んでいきそうな場所をめがけて滑るのです」
バフェットは、一方で原則を守り、一方で巧に時代をの変化に対応することで利益を上げ続けている。