世界をありのままに見る。
世界を見る態度から、
余計な考えをすべて取り除き、
ただ虚心坦懐に受け入れる。
その態度を極限にまで徹底させた状態を、
「冷静さをどこまで保つ」という。
世界の根源から、万物が盛んに並びおこり、さまざまに展開するが、
虚心坦懐に見るならそれは、根源へと帰る運動と見える。
実際、それらの物は、盛んに動き、
やがてそれぞれがその根源に復帰することになる。
このような世界の受け入れ方を、「冷静」というのである。
冷静さとは、根源に帰るものとして世界をみることである。
根源に帰るとは、世界をありのままに見ることである。
ありのままの世界を知ることを「明晰」という。
ありのままの世界を知らぬことを、「迷妄」という。
ありのままの世界を知れば、寛欲になる。
寛欲であれば、公平になる。
公平であれば、王たるふさわしい。
王たるにふさわしければ、天意にかなう。
天意にかなっていれば、道に沿っている。
道に沿っていれば、久しく、
一生涯、あやういことなどない。
※難しい読み 虚心坦懐(きょしんかんたい)明晰(めいせき)迷妄(めいもう)