老子名言 11月9日

天下の人々は、みな、私を大物だと言う。

私は実に、大物であって、空気を読まない。

空気を読まないから、大物でありうるのだ。

もし、空気を読んでいれば、

いつまでも、つまらない人間のままであっただろう。

私には、常に三つの宝がある。

これを身に帯びて、重宝している。

第一に、慈しみの心である。

第二に、質素さである。

第三に、あえて天下の先に立たない。

慈しむ心があればこそ、勇敢でありうる。

自分の欲望を統御しているがゆえに、

よく広く与えることができる。

あえて天下の先に立たないがゆえに、

人の上に立って、よく事を成し遂げることができる。

いま、その慈しみの心を捨てて、それでいて、勇敢であろうとしたり、

質素さを捨てて、それでいて広く与えようとしたり、

その後から行こうとする態度を捨てて、先んじようとすれば、

すぐにでも死んでしまうだろう。

そもそも慈しみの心は、それをもって戦えばすなわち勝ち、

それをもって守れでは堅固である。

そのような者を天はもり立てようとし、

慈しみをもって、守ってくれるのかのようである。

こういう者を、大物というのである。

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