自分の本質から離れないでいる。
雄鶏のような力強さを知り、
雌鶏ような柔らかさを守り、
天下に時を告げる鶏なる。
天下に時を告げる鶏となり、
自分の本質から常に離れない。
自分の本質から常に離れず、
赤ん坊のような柔らかさを回復する。
潔白な人々のあり方をも受け止めれば、
天下の人々の思いの流れ込む谷となる。
天下の谷となり。
その本質が充足する。
その本質が充足し、
荒削りの木のような鈍朴さを回復する。
言葉で表しうる明日の論理を理解した上で、
言葉では表し得ない神秘を守れば、
天下模範となる。
天下の模範となり、
本質は常に歪まず、
極まることのない境地を回復する。
荒削りの木を、分割してバラバラにすれば、
それぞれ小さな器となる。
果てしない潜在能力を持つ人間の本性をそのまま活用せず、
都合に合わせて切り取れば、
何かの役を果たす「人材」になる。
そういう人でも、聖人が用いれば、
官吏の長勤めさせてくれることくらいはできよう。
しかし、そもそも立派な制度のもとであれば、
荒削りの木を割くことができない。
つまり、ありのままの人間を活用して、
役割に押し込めることなどない。