有と無は互いに支え合って用をはなす。車輪をよく見た前。
三十本ものやが車軸に集まっており、はばのぶぶんと、何もない隙間とが、
適切に構成されている。それゆえに車輪の用をなす。食器をよく見たまえ。粘土をこね器を作るには、
その粘土の部分と、何もない隙間とが、適切に構成されているので、器の用をなす。
家屋をよく見たまえ。壁に穴をあけて、戸や窓を作る。壁の分と、何もない隙間とが、
適切に構成されているので、部屋の用をなす。このように何事であれ、
何かが「有る」ところと 何も「無い」ところが、互いに支え合って、
物事は機能する。「有」ばかり追求しているとすべては台無しになる。