聞いても聞こえない言葉を受け取る。世界はあなたに聞いても、聞こえない言葉で語りかける。
あなたはその言葉を受け取らねばならない。つむじ風も朝の間ずっと吹きつずけることはない。暴風も
終日吹くことはない。だあれがそんなことを試し得ようか。天地に起きる現象でさえ、永久につずくことはない。
ましてや、人間に起きることは言うまでもない。目の前に起きていることに、振り回されはならない。
その現象の語る、聞いても聞こえない言葉を受け取らねばならない。
それゆえ、その言葉を受け取って、道に従うものは、道とひとつになる。何かを得るというなら、
その得を受け入れ、何かを失うというなら、その質を受け入れる。その得を受け入れるなら、
その得は道理にかなっており、その失を言受け入れるなら、その失もまた道理にかなっている。大切なことは、
個々の特失ではない。そんなことに一喜一優してはならない。それを通じて届けられる、
聞いても聞こえない言葉、受け取らねばならないのだ。