歴史は因果関係を語り、罫線は結果のみを示す
罫線が結果のみを示していることは誰でもわかっていることだが、
妙な期待を抱かせるのが数々の小細工だ。その筆頭は過去の株価を一定の型にはめる
考え方で、日本で考案された酒田五法の足型(定石)は、明治・
大正時代まで「売り型」「買い型」ともに各15ページパターン
が紹介されたが、今日までそれぞれ30種の足型に増えている。
相撲の決まり手の48手も後に新しい技や返し技が登場して、
今日まで82手の決まりがあるそうだ。なかには決まり手と呼ぶには
頼りまい技もあるようだが、相場の場合はあらゆる型に外れたときの
「騙し」とよばれる”最強の決まり手”が残されている。投資経験のある
方ならば「罫線は相場師の杖」という格言を聞いたことがあるだろう。
昨今は多くのトレーダーが、杖は杖でもかつて西洋の魔術師(ウィザード)
たちが用いた”魔法の杖”を期待されているようである。残念ながら相場の世界には
そのような便利などうぐは存在しない。