心は広く、頭は低く、情けは深く、仕掛けは手早く
この文言は『富致録』という中国の相場秘伝書に書かれているもので、
原文は「心は広く、食細く、朝早く、夜早く、気品高く、頭低く、色薄く、情け深く、仕掛けは早く」である。
陳雅山は清王朝末期に、銀相場で巨富を築いた伝説の相場師で、
「中源線」という憲法を編み出した人である。
「中源線」 とは相場の波動を天地人に分けてその高低を予測するもので、
算出方法は「9」という数字を重視する数秘術である。
今日のテクニカル分析の一種であることは間違いないのだが、
秘伝、数秘とあるように読解が難しく、
技法の解釈は様々だ。
おそらくこれらの秘伝は、
かつて満州国で起きた投機ブームで大陸に渡った日本人の相場師が帰国の際に持ち帰り、
国内の相場の応用を試みたのであろう。
紹介したのは雅山の「売買9カ条」で、
シンプルな文言のなかに儒教的な倫理的な子孫の兵法(例えば、三十六計逃げるに如かず)などが盛り込まれている。