株式投資は株式格言に学べ もうはまだなり、まだはもうなり

もうはまだなり、まだはもうなり

倍場タイミングの難しさを伝える相場格言といえばこの格言で、

江戸時代のほとんどの指南書の一節が記されている。

酒田の本間宗久(17224-1803年)は、

この格言に以下の解説をつけている。

「相場の世界に、

もうはまだなり、まだはもうなり、という言葉がある。

『もうはまだなり』とは、『もう』そろそろ潮時でないかと売買しても、

目算が狂えば『まだ』その時でなく、その売買は失敗に終わる。

『まだはもうなり』は、『まだ』売買するべきでないと見送っているうちに、

『もう』好機を逃してしまうのである」( 宗久 翁秘録)

相場の転換点を正確にとらえることは、

数百年後の今日でも容易なことではないが、

宗久 は市場の雰囲気や自分の健玉に囚われないためにも、

「もう」と「まだ」の二言を忘れてはならないと説いている。

同時代の作と伝えらる『六甲伝』では、「相場における二つの後悔」として「もう」と「まだ」の記述がある。

「相場を張っていると誰でも経験するのが二つの後悔である。

その一つは、利食いしたあとも更なる伸びがあった時で『もう』少し粘ればよかったという後悔だ。

もうひとつの後悔は、調子よく利益が乗っているので『まだ』利食いは早いと考えているうちに相場が転換して利食いどころか損した時の後悔だ。

前者は用心が過ぎ、後者は欲の間違いなのである」

(『 六甲伝』未来高下の考え方)

なおこの『 六甲伝 』は作者は不明の指南書で「売買の駆け引」、「相場の知識」、「相場の心得」と十干十二支の景気循環で相場を予測する「 六甲伝 おろし」の 六甲 で易学用語に由来する地名である。

これらの指南書に共通するのは「もう」と「まだ」の中に含まれる人気のバロメーターを読み違えると人気相場の餌食になるというころだ。

しかし、相場がどん底をたたき誰もが「もうだめだ」と思ったとき大きな節目となる。

「まだ大丈夫に心意気」で活路を拓くべきなのだ。

 

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