戦後は予測可能な時代
相場の予測に絶対はありません。絶対にあたるとか、
絶対あがるとか、絶対に儲かるというようなこちは、
予測の世界にはないはずです。
私は証券市場に長い間身を置いて、
株の勉強については誰よりも勉強しているつもりですが、
未だに絶対に当たる方法を見つけることは出来ていません。
同時に、絶対という言葉は未だかつて使ったことがありません。
予測の世界に絶対があれば、それこそ苦労なしにお金が儲かります。
ただし、確率として、ある割合でその方向で決まるであろう、
こうなるかもしれない、こういうことは予測ができます。
戦前は生産能力や在庫といった景気予測の手がかりとなる基礎材料、
すなわち統計が国防上の理由から秘密にされました。
そのため、景気予測が非常に難しい、
予測不能と言ってよい時代でした。
だから当たるも八卦当たらぬも八卦という性質があり、
学者の意見を聞いてもなかなか当たらないというのが定評でした。
景気予測が難しかったので、景気動向の裏返しである
株価の予測がさらに難しかったのも当然のことです。
おまけに戦前は、清算取引が活発で空売り空買いを中心に
株価が形成されていた時代であり、
株価はより予測困難で複雑な動きをしていました。
ところが戦後はそれが一変しました。欧米や国内の景気動向等について、
数字的、理論的にある程度隠す必要が無くなり、
多くのことが公開されるようになりました。
景気動向について、予測不能のじだいから、
ある程度予測が可能な時代に変わったと言えます。
だが絶対はない
ただしそれでも、予測においては絶対すなわち10割という確率は期待できません。
確率が5割なのか7割なのか、あるいは8割の確率で期待できるのか、
その確率の度合いに応じて物の言い方、考え方を決めます。
私は常に、8割の確率があればそれを10割の確率と考えるようにしています。
2割は常に不確実性が存在するからです。
このように確立を踏まえて売り買いを決める、
確立の度合いを踏まえて行動をする、
これが大切です。