わたしの場合、集団的意思決定とは、鏡をのぞき込むことである。
ウォーレンは新しい発想を思いついたとき、
他人の賛同を得ようとしない。
なぜなら、彼のアイディアのほとんどが、
一般大衆の考えとは逆をいっているからだ。
もしも投資の世界で大金を稼ぎ出したいなら、
あなたは独力で思考する術を学ぶ必要がある。
そして独力で思考するには、
他人との違いに心地よさを感じる必要がある。
ウォーレンは投資を始めた当初から、
他人と違うやり方で歴史を歩んできた。
ニューヨークではなくアメリカ中西部のネブラスカ州オマハに拠点を置いたのも、
ウォール街の影響を薄めるためだった。
彼はほかの誰もが欲しがらないときに、
当時は繊維業を営む〈バークシャー・ハサウェイ〉の株を買い込み、
〈アメリカン・エキスプレス〉の株を買い込み、
〈ワシントン・ポスト〉も株を買い込み、
〈GEICO〉保険の株を買い込み。
〈ワシントン州電力供給会社〉の公社債を買い込み、
さまざまなジャンクボンドを買い込んだ。
これらの中には、いまでも保有されているものもあれば、
長期保有後に売却されたものもあるが、
全てに共通するのは、ウォーレンの富の形成に寄与したという点だ。
もしも、彼が独自の発想をウォール街の信任投票にかけていたら、
大きな投資チャンスをことごとく取り逃がしていたに違いない。