ウォーレン・バフェットの教訓 13 

わたしは高さ二メートルのバーの飛越には挑まない。

周りを見わたして、またぎ越せる三十センチのバーを探す

ウォーレンは高望みはしない。

すべての投球に対してホームランは狙わず、

じっくり絶好球をまって、

確実に打てる球だけをスイッチングする。

具体的にはまず、改善の必要がない定番商品を持っている会社や、

今後20年間は安泰とおもわれる会社に狙いをつける。

それから、全株式を取得して会社を丸ごと所有すると想定した場合、

一株いくらならビジネスとして見合うかをはじき出し、

実際の株価がその水準になる瞬間を待ち受けるのである。

幸運にも、短期的利益を追う傾向が強い株式市場では、

ビジネスの長期的経済性が軽んじられやすく、

しばしな素晴らしい会社に著しく安い値が付けられることがある。

ウォーレンはこのシンプルなやり方を守りつづけている。

占いまがいの複雑な投資戦略は、

ウォール街の連中に任せておけばよいのだ。

1973~74年の株価大暴落のときには、

世界屈指の広告代理店である〈オグルヴィー&メイザ―〉の株が四ドルで購入できた。

一株あたりの利益は76セントだから、

株価収益率(PER)はわずか五倍だ。

ウォーレンは暴落の間に同社の株をしこたま買い込み、後年、

高値で売却して年率換算20%超の利益をてにした。

世の中には、こういう至極簡単な投資手法も存在するのである。

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