われわれ経営者は公平無私を肝に銘じるべきである。公人として他社をあざむくような経営者は、私人として
みずからあざむく結果を招くことになるだろう
社会にに対して自分のミスを潔く認められる経営者はミスから教訓を学ぶとる可能性が高い。逆に、自分のミス
を誰かや何かのせいにしようとする経営者は、他の重要な事柄についてもみずからあざむく可能性が高く、株
主に対して正直な対応を行う可能性が限りなく低い。この傾向が顕著に見られるのは、企業会計の分野だ。一部の数字について虚偽記載、を許容していると、最後には、すべての数字について虚偽記載を許容するようになるわけだ。ウォーレンが指摘する通り「”数字を出す”ことを常に約束する経営者は、いずれかの時点で”数字ごまかす”誘惑に駆られる。」もちろん、数字をごまかした経営者はブタ箱行きになるが、悲しいかな、たいていの場合、粉飾決算が明るみに出るころまでには、株主が投じた資金はすっかり底を尽き、従業員が積み立て年金も消えてなくなっている。