ウォーレンバフェット教訓  61

人間には、簡単なことを難しくしたがるひねくれた性質があるらしい

極言すれば、あらゆる職業は素人をだますことで、成立している。得体の知れないものが現れたとき、素人はその

道のプロを頼るしかなく、専門家は謎を解き明かす見返りとして、素人に高い料金をふっかけることが可能となる。

そして、 謎が複雑であればあるほど、その複雑さを解きほぐすための指導が必要となり、専門家に対するニューズも高まるわけだ。顧客に代わって投資すべき銘柄を選定する、という専門技術を売るのがウォール街のビジネスである。業界を知り尽くしたプロ中のプロ以外、複雑怪奇な投資ゲームを理解できないため、素人とゲームとの橋渡しをする仕事は、ウォール街の株式ブローカーの専売特許となる。ブローカーたちの計略は単純明快だ。顧客を儲けてしまうのだ。この時、客離れの心配しなくてよい。投資ゲームはあまりに複雑なため、素人がひとりで手を出すのは無謀であると、あらかじめたっぷりと刷り込んであるからだ。株式ブローカーがプロを自任するなら、自分の金で勝手に儲ければよさそうなものだが、不思議なことに、この疑問を口にする顧客は誰もいない。ひょっとして、ブローカーが顧客の金を必要とするのは、投資が利殖につながらないとわかっているからではないのか?かつてウッデイ・

アレンは次のように言った。「株式ブローカーってやつは。他人の金を投資に注ぎ込みつづけるんだ。すっからかなかんになるまで」

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