普通ビジネスの世界では、透明度が高いのはフロントガラスよりもバックミラーのほうである。
ビジネスの世界では、過去についての完璧な後講釈が語られる。しかし、未来については、激変する環境が先行き
に目隠しをしている。道路の前方が見通せないとき、自分がどこへ向かっているのかを判断するのはむずかしい。これが理由のひとつばって、ウォーレンは常にハイテク株を距離を置いてきた。ハイテク株と距離を置いてきた。ハイテク義界の将来像を、彼はまったく思いかけなかったのである。ウォーレンによると、テクノロジーには一家言を持つ親友のビル・ゲイツでさえ、道路の前方は見通せてないという。だからこそウォーレンは、15年先を見通せる実証済みの商品にこだわるのだ。15年後、人々はひげ剃りをしなくなるだろうか?自動車保険をかけなくなるだろうか?暑い夏の夜に子供たちをソフトクリーム店へ連れていかなくなるだろうか?どれも可能性はきわめてひくい。