投資家として成功するには、一匹狼となって大変大衆に交わらないことだ
『ファンド・マネジャー』に出てくる言葉。
自由主義社会、民主主義社会は多数決の世界だが、
株式市場では多数決は必ずしも正義ではない。
相場の世界では多数が間違って、少数の見方が正しい、ということもしばしば起きるのだ。
我が国相場格言でも「人の行く裏に道あり花の山」というのがある。
商売でも人と同じことをしていたら、儲けが少なくなるばかりか、
下手をすれば大損して倒産しかねない。
株式投資でもみんなと同じことをやっていたら、あまり儲からない。
みんながみんな近く暴落が来ると思っていたら、なかなか暴落は来ないものだ。
予想される暴落は、政府や大手証券などが暴落しないように株価対策を打ち出してくるし、
投資家が警戒するため、回避されることが多い。
逆に、株価急騰が予想されると、みんなが株を買ってくるため、
やがてそれが売り圧迫となって、
株価の頭を押さえるようになりがちだ。
つまり、みんなの予想が一致すると、その予想が将来の事実関係を歪める結果を招きやすい。
このため、本来ならそうなる可能性が十分にあっても、
そのことが事前に予想されることによって、別の可能性を引き出すことがしばしばだ。
その結果、みんなの予想が外れる、ということになる。
したがって、大衆は正しくても間違う、という奇妙な現象が起きることもあるのだ。
投資家は、みんながどう考えるかを考えたうえで、
その逆を選択するもの一つの手だが、
自分の独自の考えに基づいて判断し、行動した方が良い。
「相場師は孤独を愛す」「和して同ぜず」(みんなと仲良くするが、道理に合わないとことには従わない)ということわざもあるが、株式投資に関しては情報収集はみんなから集め決断は一匹オオカミに徹して行うべきだ。