ブルは時々儲ける。だがホッグだけには儲からない。
ウォール街の相場格言。強気は買いで儲け、弱気は売りで儲けることができるが、
欲を張って、もっと値上がりしてから利食ってやろう、(カラ売り、の場合はもっと値下がりしてから買い戻そう)とよくっはているうちに売り損ない、買い戻して損なって、結局、少しも儲からず、逆に損をすることさえある。
このため、ブル(強気の雄牛)でもベア(弱気の熊)でも株で儲けることができるが、
ホッグ(欲張りな豚)は儲からない、という格言が生まれたのだ。
日本でも、江戸時代の相場秘伝書『商家秘録』に「惣じて損する人、多くは欲と迷ひよりなす所なり」と書いてある。
また、米相場の名人と言われた本間宗久も、次のような言葉を残している。
「数カ月思入れ能く、八十九分通り仕当り候節、必ず勝に乗るべからず。
唯無難に取留めことを専らにすべし。必ず必ず、欲を探して迷うべからず」
(数ヵ月予想がピタリと当たって、八分~九分うまくいった時はには、
決して図に乗ってはいけない。ただ無難に反対売買して、
利益を確保することを考えるべきだ。
決して、欲を出して迷ってはいけない)