相場を語るなかれ
「能ある鷹は爪を隠す」というが、相場も同じことだ。
本当に相場を知っている人は、相場のことを語りたがらないものだ。
本当に相場を知っている人は、相場の恐ろしさを知っている。
相場などいつ、どうなるかわからないということを知っている。
だから、むやみに相場をのことなどを話したがらないのだ。
有名な米相場の本である『三猿金泉秘録』(牛田権三郎著)では、
冒頭の序文にこう書いている。
「三猿とは、見猿、聞猿、言猿の三つなり。
眼に強変を見て、心に強変の淵に沈むことになかれ。
ただ心に売りを含むべし。
耳に弱変の淵に沈むことなかれ、ただ心に買いを含むべし。
強変を見、聞くとも、人にかたることなかれ、
言えば人の心迷わす。これに三猿の秘密なり」
(三猿とは、見ざる、聞かざる、言わざるの三つことである。
目で好材料を見ても、心の中で強気になって浮かれてはならない。
ただ、心の中で売りのことを考えておくべきだ。
耳で悪材料を聞いても、弱気になってくよくよしてはならない。
ただ、心の中で買いのことを考えておくべきだ。
好材料を見たり、聞いたりしても、人に話はいけない。
言えば、人の心を迷わせる。これが三猿の秘密である。)
自分の相場見通しが当たったり、相場で成功して儲けると、得意になっって人に吹聴したくなるものだ。
だが、本当に相場名人は、ただ黙って、相場に打ち込むだけだ。
「相場を語るなかれ」というのは、たまたま相場が当たっているからといって、
いつまでも当たるわけではないから、天狗になるな、という戒めの言葉である。
下手に相場を見通しを語ると、それを信じて売買した人が損をした場合に、恨みを買う可能性がある。
また、自分が語った相場を見通しに、自分自身が縛られて、相場見通しが間違っていたとわかっても、臨機応変の対応が出来なくなる可能性もある。
そいうことを考えると、相場については自分の心の中に収めて、
他人にあまり語らない方がいい、ということになるのだ。