始めから損は覚悟で相場せよ、思案過ぐれば時期を失う
江戸時代の米相場から生まれた相場格言。
相場には儲けと損が背中合わせになっている。
見通しがピッタリ当たれば儲かるが、見通しが外れば、損をする。
だからこそ面白いのだが、誰だってできることなら損はしたくない。
そこでチャンスと思っていても、いざ投資するときには、あれこれ迷ってなかなか決断できない。
迷っているうち、相場が上がってくる。
少し値下がりしたとで買ってやろうと思って待っていると、
押し目待ちに押し目なしで、なかな下がらない。
結局、買えないまま、株価がどんどんン上がっていくのを指をくわえて見ているだけ、ということは多くの投資家がしばしば体験することだ。
そういう場合には、ここぞと思った時には、損をしてもかまわないという覚悟で買ってみることだ。
損をしたらいけないと考えると、どんな好機にも買えるものではない。
損をしてもかまわないから思い切って買ってみよう、と考える心の余裕があれば、
チャンスを逃すことはないし、万一損しても諦めがつく。
『商家秘録』には「商いをせんと思う節、最初先損銀のつもりをすべし」
(相場をする時は最初に、損してもよい金額を見積もるべきだ。後悔しないように、前もって慎重にすべきだ)とある。
また、ウォール街にも「相場の限界をセット(設定)しておけ」という相場格言がある。